スマートフォンサイズのペーパープロトタイプにはダイソーのメモ帳がおすすめ
自分の担当講義ではUIデザインの制作プロセスにペーパープロトタイピングを含めています。長らくペーパープロトタイプの作成には、ビバホームのオリジナルブランドであるWIZAの大判ふせんを使用してきました。
サイズが75x145mmと、ひと昔前に主流だった3Mのふせん(75x127mm)よりもスマートフォンの実寸に近いのが理由です。これはこれで使いやすいのですが、剥がしたあとに反れてしまったり、300枚セットなので学生個々人に分配するのが手間といった、やや扱いづらい面もありました。
そこで、ふせんの代わりになるものを探したところ、良さそうな商品が2つ見つかりました。ひとつはスマホシタジキメモという名前そのままのメモ帳、そしてもうひとつがダイソーのメモ帳です。
製品サイズはダイソーが75x150mm、スマホシタジキメモが70x151mmです。iPhone 17と比較するとこんなサイズ感。

結論から言うと、タイトルの通りダイソーのメモ帳を今後しばらくは試すことにしました。スマホシタジキメモを切り取ると、用紙サイズが高さ138mmまで下がってしまうのが主な理由です。また、紙質がよく厚みもあるため、たまに切り取りが失敗して破れてしまったり、「良い紙」感が出て雑に扱いづらい感触があるといった面もあります。
ちなみに価格面ではそこまで差があるわけではなく、スマホシタジキメモは2冊だと500円ですが10冊セットで1820円(送料無料)まで下がります。ダイソーのメモ帳は1冊100円と安いですが実店舗での取り扱いが少なくオンラインストアでの購入が必要となり、10冊だと送料込みで1900円弱、50冊買ってようやく1冊120円台まで下がります。

ひとつ気になる点があるとしたら、用紙上部に塗られているグレーのエリアでしょうか。表紙と同サイズ・同色の塗りがあるため、ペーパープロトタイプ制作には少し使いづらさを感じます。もう少し高さがあればナビゲーションバー代わりとして扱えるのですが。以下は主要な端末のスクリーンサイズとの比較です(端末側の塗りはおおまかなナビゲーションバー領域)。

主要なスマートフォンの画面サイズとの比較

ダイソーのメモに各端末のスクリーンを重ねたもの
基本的には、裏返して使うことが推奨されそうです。
ペーパープロトタイプの要否について
さて、そもそも生成AIによるUI生成が普及し始めている中で、ペーパープロトタイプの有用性は残っているのでしょうか。
まだ十分に経験もデータも揃っていませんが、個人的には、UIデザインの教育においてペーパープロトタイピングの有用性はまだ高いのではないかと考えています。UIデザインの学習過程では、各コンポーネントの役割や画面のレイアウトへの理解、ナビゲーションを考慮した全体の設計といった基礎能力の獲得が求められます。作り始めがFigmaでは時間がかかってしまいますし、StitchのようなUI生成では、結果が得られるまでの速度は速いものの画一的になりやすい傾向があります。また、そもそも語彙や作法を知らなければ、プロンプトによる改善も機能しづらいでしょう。ペーパープロトタイプは試行錯誤と自己学習のサイクルを回しやすく、手描きのためデザインに自分の意思も含めやすい点で、バランスの良い制作工程だと感じます。また、紙に手描きというスタイルはアイデアを捨てやすく、成果物に固執しすぎない姿勢も得やすくなります。
現在、講義ではプロダクトのコア機能を設計するフェーズではペーパープロトタイプを中心に制作をおこない、周辺機能の展開やFigmaによる制作への橋渡しにStitchを利用する、といった使い分けをしています。
「手を動かす」が今後のUIデザイン学習においてどれくらい重要とされるかは未知数ですが、自分としては、わずかばかりでも身体を伴うプロセスは残しておきたい、そう思います。